展覧会やイベントをレポートするときに、気を付けているポイント教えます。
こんにちは。箱庭の森です。
編集・ライターに聞く箱庭STUDY。今回は「展覧会・イベントのレポート」記事について、書き方のポイントを学びます。
教えてくれるのは、前回のお店レポートも担当してくれた箱庭メンバーのあいぱんです。
箱庭の読者の方は、実にアグレッシブ!いろんなインプットを求めて、イベントや展覧会に足を運んでいるという人がたくさんいます。
箱庭では、そんな読者のお役に少しでもなれるように、毎週木曜日に今週末行きたいイベントをまとめた記事を公開していたり、みんなが気になりそうなイベントにはひと足先に体験して、レポート記事として発信することを心がけています。
では、読者の方に楽しさが伝わるレポート記事ってどんな記事?!「展覧会・イベントのレポート」記事の8つのポイントを聞きました。
「展覧会・イベントのレポート」記事の書き方 8つのポイント
実際に行った時の感情を大切にしたいから、事前準備は適度に!
行く前の事前準備は、イベントや展示の開催者が発信している公式ニュース情報(プレスリリース)を見たり、そのイベントの本サイトを少し見る程度にしています。
せっかくの体験レポートなので、行った時の感情も一緒に届けないと意味がありません。事前に情報を知りすぎて、展示を見たときの感動が薄れてしまった!とならないようにします。しかーし!ここで注意点が1つ。事前準備で見ておかなければならないポイントがあるんです。それは、その展示の見どころを知っておくということ。展示の一番の見どころが抜けていたなんて、展示紹介の記事としては失格です。その展示・イベントの企画主旨や見どころは、何なのかは事前にチェックしておきましょう。
記事公開日は、展示開催中?それとも終了してる?記事内容をステータスによって変えよう
記事の内容は、その展示・イベントが記事公開日にも開催中なのか、それとも終了しているのかで大きく変わってきます。まだ開催中で記事を読んだ人が行くことのできる展示・イベントならば、展示内容をすべて載せずに含みをもたせた記事にします。展示の見どころや私たちが面白いと感じたポイントを掲載し、読んだ人が行きたいと思ってもらえるような記事にしつつ、全貌を明かしすぎて行った時に面白みがなくならないようなバランスが大事です。
終わった展示・イベントの場合は、読んだ人が行くことが出来ないので、その記事を読んで何かを学ぶことが出来るような内容にします。たとえば、イベントで見つけたかわいい作家さんをまとめたり、トークショーの内容をまとめたり。そういう要素が入っていると、行けなくても記事を読んでよかったなと思えるはずです!
たとえば、まだ開催中だった展覧会の記事はこちら。
・スヌーピー愛が満載!スヌーピーミュージアムに行ってきたよ
すべての展示は掲載せずに、代表的な展示と私たちが面白いと感じた展示を紹介しています。
すでに終了していたイベントの記事はこちら。
・「森、道、市場 2014」で出会った、アートみたいな「ひとめぼれスイーツ」
記事公開の時には終了していたイベントですが、そこで出会った素敵なスイーツを紹介し、イベントに行くことが出来なくても楽しんでもらえる記事にしています。
行かないと気づけないポイントを盛り込もう
実際に足を運び、体験して書いているレポート記事。公式サイトで得られるような情報だけでは、もったいないですよね。行ったことで気づけたポイントや所感を盛り込むようにしています。
行かないと気づけないポイントはたくさんあると思いますが、媒体によって書く内容も変えるとよりGOOD!箱庭なら箱庭読者が気になりそうなポイントをひとつ教えてあげるだけで、より行きたい気持ちが増します。
たとえば、この記事。
・「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」レポートの巻
体験ができる展示が多かったのですが、「ことばのおもみ」で自分の名前の重みをはかったり、どう楽しんだら楽しいかを実際に体験して伝えています。
著名人ゲストがいた場合は、その方も必ず掲載しよう
メディアの方向けに展示を公開する場(プレスプレビュー)やオープニングイベントに参加が出来る場合は、著名人ゲストや主催者などが来ることもあります。著名人ゲストの生スピーチはこういう機会じゃないと聞けません!読者のみなさんにも、ゲストの方の感想や関係者のイベントにかける思いをと伝えることで、展示・イベントの魅力を知ってもらいましょう。
それともう一つ、このポイントには裏テーマがあるんです。はい、SEO対策をちょっとだけ狙っています。著名人の名前は検索されやすいので、検索流入が増えるといいなという願いを込めて~。
たとえば、こんな展覧会。
・雑貨好きなら絶対おすすめ!「雑貨展」をレポート
プレスプレビューに参加したところ、展覧会ディレクターの深澤直人さんが解説をしてくれました。
公式サイトには掲載されていないお話も聞けるので、貴重です!
来場客に話しかけてみよう
逆にこちらは、メディアだけではなく、一般のお客さんも入っている時にできる技!
「どうしてこのイベントに来ようと思ったんですか?」「こういうイベントは良く来るんですか?」という具合に話しかけてみましょう。みなさんがどんなところに注目しているのか、私たちの目線では気づかなかったことが聞けますし、そういった意見を載せることで、より多くの人が共感し、行ってみたいと思える記事になります。
たとえば、こんな風に。この記事は、お客さんが話しかけてくれました(笑)。
・子供からお年寄りまで、みんなをHAPPYにするかわいい“森のおはぎ”屋さん
写真は、なるべく来場客の顔が写らない瞬間を狙おう
あとから顔をぼかすこともできますが、箱庭ではより自然な写真を掲載できるように、なるべく来場客が写らない瞬間、来場客が多い場合は、来場客の顔が写らない瞬間を待って撮影しています。少し時間を待っていると、ふっと人がはけていく瞬間があったりします。その時にすかさずシャッターをきりましょう。来場客が多い場合は、後ろを向いている人が多い場所を探してみたり、浅めのピントでなるべくぼかしたり。ちょっとの工夫でいい写真が撮れたりしますよ。
・アートなひと時を。Andy Warhol&Ai WeiWei展レポート!
みんなが展示に夢中になっているのを後ろからパシャリ。
展示の解説パネルも撮影しておくと便利!
展示の写真と一緒にその展示の解説パネルも撮影しておきましょう。記事を書くときに、展示のタイトルや展示説明が必要な個所がたくさんあります。その場でメモるのは大変だけど、説明パネルを撮影しておけば、その写真をもとに記事を書くことが出来ますよ!(展示作品の撮影は、展示やイベントによってNGの場合もあるので、事前に確認しましょう。)
・雑貨好きなら絶対おすすめ!「雑貨展」をレポート
たとえば、展示の横にある説明パネル。この説明パネルだけの撮影もしておくことで、記事を書くときに役立ちます。
何よりも、その場を楽しむこと!
色々ポイントを挙げてきましたが、何より大事なことは、やっぱりその場を楽しむということ。
箱庭では、取材と言いつつも気になる展覧会やイベントをピックアップしているので、自分たちも来場客として最大限に楽しんでいます。読んでいる人にも書き手の楽しさはきっと伝わっているはず。その場を楽しんで、そして、本当に楽しかった想いを伝えましょう。
以上!今回は展覧会・イベントのレポート記事8つのポイントについてお伝えしました。レポート記事を見て、気になったので行ってきました、という読者の方がひとりでもいてくれたら嬉しいですよね。ここであげたポイントを参考に書いてみてください~
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・本日、お話しを伺った箱庭メンバー
花沢亜衣/編集者・ライター
東京生まれ東京育ち。女性向けメディアの編集&ディレクションをしています。好きなものは、映画、外で飲むビール、ピクニック。将来の夢はパリジェンヌです。
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・編集・ライターに聞く Vol.3|「お店のレポート」記事の書き方 7つのポイント
◆参考図書
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