実験するたび、レンズや機材が欲しくなるのが悩みです。今日もカメラ実験隊がゆく!
こんにちは!箱庭のシオリです。
今回が2回目となる『カメラ実験隊』です。
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『カメラ実験隊』とは?
もともと写真好きなメンバーが多い箱庭ですが、それでもカメラの機能をすべて活用出来ているかといったら、できていないし、まだまだ挑戦したことのない撮影シーンもたくさんあります。
そこで、実際にいろいろな撮影を体験して、カメラのことをもっと知り、写真の腕をさらに磨いていこう!というのが、『カメラ実験隊』です。
今回も、わたしたちが実験した結果をもとに生み出した「箱庭流 撮影のコツ」をお伝えしていきます。
みなさんには、わたしたちの実験を参考にして、写真撮影を楽しんでもらえたら嬉しいです。
第二回のテーマは、季節や天候を問わずに楽しめる水族館撮影です。
ちょうど今の時期は、涼し気な雰囲気が楽しめるとあって、お出かけ先として大人気の水族館。たくさんの水の生き物を見ると思わず写真に撮りたくなりますが、暗い館内に光る水槽、そして動き回る生き物を撮ろうとすると、なかなか難しい。。。
今日は、そんな水族館撮影にTRYしてきました!その実験結果を、じっくりお伝えしたいと思います。
(左から松本隊員、東出隊員、秋山隊員 ※今回は森隊員が残念ながら欠席でした。)
実験当日は、曇ってはいたけどめちゃくちゃ暑い日。。でも、負けずに元気よくいきますよー!
ここで注目!隊員たちはみんな黒を基調とした暗めの洋服に身を包んでいます。このことには後ほど触れますので、覚えておいてくださいね。
目次
・今回のロケ地は、アクセス抜群・イベント満載の「すみだ水族館」
・今回、使用した機材はこちら
・私たちが体験して分かった水族館撮影12のポイント
・隊員の水族館写真を見てみよう
・憧れの「流し撮り」にもチャレンジ!
・画像加工で、もっと楽しめる!
今回のロケ地は、アクセス抜群・見どころ満載の「すみだ水族館」
今回実験隊がおじゃましたのは、スカイツリーの麓にある「すみだ水族館」です。ここを選んだポイントは、二つあります。
まずは、アクセス抜群だということ。東武「とうきょうスカイツリー」駅と、東武・東京メトロ・京成・都営地下鉄「押上(スカイツリー前)」駅から直結の、スカイツリータウンの中にあります。重たいカメラを持っていても気軽に遊びに行くことが出来るし、雨の日でも安心ですね。
そしてもうひとつは、気になるイベントがあったということ!
ロケ地を探しているときに、ちょうどすみだ水族館で面白そうなイベントがやっているとの情報をキャッチしたのでした。
●約1,000匹の金魚が舞う!金魚づくしの夏イベント「お江戸の金魚ワンダーランド」
●マゼランペンギンの赤ちゃん「ふうりん」のプールデビューイベント「すみだペンギンウィーク」
水族館では意外と見ることの少ない金魚の展示や、絶対かわいい赤ちゃんペンギン!どちらも期間限定でしか見られないイベントなので、気になった時に行くのが一番!ということで、決定しました。
水族館は常設で展示されているもの以外にも、期間限定の展示があったり、生き物の貴重なシーンに立ち会えるイベントがあったりするので、それをチェックしてスケジュールを立てるのがおすすめですよ。
今回、使用した機材はこちら
松本隊員のカメラ:Canon EOS 60D
<レンズ>
標準ズーム:Canon EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
単焦点:Canon EF50mm F1.8 STM
秋山隊員のカメラ:Canon EOS 70D
<レンズ>
標準ズーム:Canon EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
単焦点:Canon EF50mm F1.8 STM
東出隊員のカメラ:Canon kiss x5
<レンズ>
標準ズーム:Canon EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS
単焦点:SIGMA / 30mm F1.4 EX DC HSM
望遠:Canon EF-S55-250mm F4-5.6 IS
標準ズームレンズだけで十分かな?と思っていましたが、意外と単焦点・望遠が活躍したので、持っている方は装備していくのをおすすめします。
私たちが体験して分かった水族館撮影12のポイント
私たちが体験して分かった水族館撮影12のポイントです。
※写真は加工なしで掲載しています。
撮影モードはシャッタースピード優先(TvまたはS)で、1/200くらい。
やはり動くものを撮影するとなると、なるべくぶれないようにすることが重要になります。そこでシャッタースピード優先モードを選択し、1/200くらいを基準に被写体の生き物の動きに合わせて設定しましょう。
ISO感度はシーンごとに設定
シャッタースピード優先に設定すると、暗い写真になりがちなので、ISO感度を調整しましょう。クラゲや熱帯魚などの照明が明るい水槽は、オートにしていても大丈夫でしたが、大きめの水槽や暗い場所に行った時には、ISO3200以上にする必要がありました。新しい水槽に行ったら、まずは撮影してみて、暗かったら数値を高めに設定してみると良いと思います。
ホワイトバランスは電球がおすすめ
水族館では水槽の中を泳ぐ生き物を撮るので、青っぽい写真になることが多いと思います。この青を綺麗に見せてくれるのはホワイトバランスの電球モード。ただし、今の水族館はLEDの技術を駆使していてミックス光の水槽もあるので、その時は別のモードをいろいろ試してみる必要があります。
オートフォーカスは1点&追従モードで
被写体は常に動いていることが多いので、パッと狙うことが出来るよう、1点AFにしておくのがおすすめです。さらに、AFモードはAIサーボ(ダイナミックAF)という被写体を追従できるモードにしておきましょう。
レンズを水槽になるべく近づける
水族館では、水槽越しに生き物を撮影することになるため、周りの通行人や自分自身が写り込んでしまわないように気を付ける必要があります。レンズをなるべく水槽に近づけて撮影することで、余計な写り込みを避けることができます。
あと、気を付けたいのは、出来れば暗め色の洋服を着ていくこと!白っぽい洋服は、水槽にバッチリ写ってしまいます。冒頭の隊員の洋服の色味が暗めだったのは、このためだったんですね~
基本はズームレンズで。明るいレンズがおすすめ!
小さい魚に寄れたり、広い水槽の全体像を撮影したりと、いろんなシーンで活躍してくれるのがズームレンズ。標準レンズで十分ですが、やっぱり暗い館内での撮影には、なるべく開放F値がF2.8やF1.8など小さいF値のレンズを持っていきましょう。
時に単焦点のレンズで被写体を際立たせる
今回3人の隊員は、全員単焦点の明るいレンズ(F1.4またはF1.8)を持っていました。これが大活躍!ズームは出来ませんが、標準レンズよりも描写力があるので、被写体がぐっと際立って見える写真が撮れました。
(Canon EOS 60D レンズ:単焦点 f/1.8 1/100秒 ISO400 WBオート 松本隊員撮影)
クラゲの口腕や触手の様子も、この通りくっきりです。
ショープログラムやゴハンの時間等のパフォーマンスは望遠レンズで
今回望遠レンズを持っていたのは東出隊員だけでしたが、ペンギンのゴハンの時間のときは標準レンズだと物足りなさを感じました。飼育員さんの手元や、ペンギンの動作にきちんと寄れるのは、望遠レンズならではです。
(Canon kiss x5 レンズ:望遠 f/5.0 1/30秒 ISO3200 WBオート 東出隊員撮影)
ゴハンを待っているペンギンたちの表情まで、ばっちり撮れてますね。
人を入れる場合はシルエットでかっこよく
逆光を利用したシルエット撮影ですが、水族館なら簡単に出来てしまいます。スナップ撮影のような人物撮影は難しいけど、普段撮るのは難しいシルエット撮影で、かっこいい写真を目指しましょう!人物を真っ黒に写すには、露出をマイナスにすると良さそうです。
(Canon kiss x5 レンズ:単焦点 f/1.4 1/160秒 ISO800 WB:電球 東出隊員撮影)
クラゲを狙う私。集中してて撮られているのに気づかずでした!
連写も使ってとにかくたくさん撮る
生き物は思い通りの動きをしてくれませんので、あきらめずに何度もシャッターを切ることもポイントです。特に今回はペンギンの赤ちゃん「ふうりん」のバックヤードでの遊泳練習を撮影させてもらったので、隊員たちはその一瞬の可愛らしい動きを逃すまいと必死に!こういう時は、迷わず連写モードを使いましょう。そのためにSDカードのメモリーを十分あけて置くことも重要ですね。
(Canon EOS 60D レンズ:単焦点 f/2.0 1/100秒 ISO160 WBオート 松本隊員撮影)
マゼランペンギンの赤ちゃん「ふうりん」の、めちゃくちゃかわいいポーズを激写!実は、何枚も何枚も撮り続けた中の一枚なんですよ。
たくさんの魚が素早く泳ぐ水槽は、絞り優先モードを使用。
マニュアルフォーカスでピントを固定
今回冒頭で紹介した、期間限定のイベント「お江戸の金魚ワンダーランド」がやっていたので、金魚の水槽を撮影しました。金魚くらいのサイズの魚が水槽でたくさん泳いでいる場合は、一匹の金魚に即座にピントを合わせるのは至難の業。そこはあきらめて、絞り優先モードにして、マニュアルフォーカスを使いピントを一か所に固定。そこに金魚がうまく泳いできた瞬間にシャッターを切ると、上手く撮影が出来ました。
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/2.8 1/85秒 ISO3200 WBオート 秋山隊員撮影)
瞬間を見逃さないように、生き物の動きをじっくり観察
生き物の動きをある程度予測してシャッターを切りましょう。例えばクラゲは、体をすぼませた状態がかわいいなぁということを見つけたとします。その状態を見てからでは遅いので、すぼませ始めたところでシャッターを切るのです。
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/4.0 1/60秒 ISO1250 WB:電球 秋山隊員撮影)
隊員の水族館写真を見てみよう
それでは、ここからは一挙に隊員の作品をお見せしたいと思います!
まずは、今回特別に見せて頂いた、赤ちゃんペンギン「ふうりん」のバックヤードでの遊泳練習風景から。
(Canon kiss x5 レンズ:標準ズーム f/5.6 1/320秒 ISO3200 WBオート 東出隊員撮影)
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/2.5 1/640秒 ISO1600 WB:オート 秋山隊員撮影)
ペンギンって、生まれたときから泳げるものだと思ってましたが、最初はこんな風にお腹を見せてしまったり、上手く潜れなかったりするんですね!その様子が可愛くて、隊員一同悶絶でした!!
お次は、一番長い時間撮り続けていたと言っても良いくらい、隊員もお気に入りのクラゲです。
(Canon EOS 60D レンズ:標準ズーム f/4.0 1/100秒 ISO6400 WBオート 松本隊員撮影)
(Canon EOS 70D レンズ:標準ズーム f/3.5 1/160秒 ISO3200 WB:電球 秋山隊員撮影)
(Canon kiss x5 レンズ:単焦点 f/3.2 1/40秒 ISO100 WB:電球 東出隊員撮影)
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/2.0 1/100秒 ISO800 WB:電球 秋山隊員撮影)
お次は、海の人気者たちです。
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/2.0 1/100秒 ISO500 WB:電球 秋山隊員撮影)
(Canon EOS 70D レンズ:標準ズーム f/4.5 1/200秒 ISO3200 WB:電球 秋山隊員撮影)
チンアナゴは砂に近い部分でピントを合わせると上手く撮れますよ。サンゴ礁ゾーンにいた“ドリー”でおなじみのお魚は、水槽の照明の影響でちょっと紫っぽく写りました。
ここで、「お江戸の金魚ワンダーランド」の写真も、いってみましょう!
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/2.8 1/85秒 ISO1600 WB:電球 秋山隊員撮影)
(Canon kiss x5 レンズ:単焦点 f/2.8 1/50秒 ISO160 WBオート 東出隊員撮影)
たくさんの水槽に、合計約1,000匹のさまざまな種類の金魚がいて撮りがいがありましたよ!
憧れの「流し撮り」にもチャレンジ!
被写体の動きに合わせてカメラを動かしながら撮影することで、背景をブレさせてスピード感を演出する「流し撮り」という撮影手法があります。
F1サーキットや鉄道の撮影で用いられていることが多い手法ですが、水族館にスピード感のある生き物がたくさんいるので、思い切ってTRYしてみました!
シャッタースピードを1/20にして、被写体泳ぐ動きと一緒にカメラを動かしながらシャッターを切ります。
このとき手振れ補正はOFFにしましょう。
(Canon kiss x5 レンズ:標準ズーム f/4.0 1/20秒 ISO1250 WBオート 東出隊員撮影)
(Canon EOS 70D レンズ:標準ズーム f/4.0 1/30秒 ISO3200 WBオート 秋山隊員撮影)
(Canon EOS 60D レンズ:標準ズーム f/3.5 1/20秒 ISO3200 WBオート 松本隊員撮影)
流し撮り成功!なんだか空を飛んでいるように見えます。ペンギンの動きに合わせる感覚を掴むまで、ちょっと時間がかかりましたが、コツをつかんだら撮れる確率が上がった気がします。ピントが合った時の感動はひとしおなので、根気よくやってみて下さいね。
画像加工で、もっと楽しめる!
暗い中で動く被写体を撮影するという難しい環境での撮影だからこそ、帰宅後の画像加工で、より好みの写真に近づけてみましょう。
(Canon kiss x5 レンズ:単焦点 f/1.4 1/200秒 ISO125 WB:電球 東出隊員撮影)
上の写真を、明るさやコントラスト、シャープネスを調整した画像がこちら。
より熱帯魚の鮮やかさに目の留まる写真になりました。
(Canon EOS 70D レンズ:単焦点 f/4.0 1/85秒 ISO1600 WB:電球 秋山隊員撮影)
そのままでもきれいに写っていたクラゲの写真ですが、コントラストやシャープネスを調整することで、きりっとした表情に。
他の写真も、同様に加工してみましたよ。
(松本隊員撮影)
(秋山隊員撮影)
(秋山隊員撮影)
明るめで鮮やかな写真が好きなので、自然とそんなテイストになりました。
きちんと撮れていれば、こんな風にある程度は後から加工することが可能なので、とにかく撮影時にはブレないよう、一瞬の動きをおさえることに集中ですね!
随分とたくさんのコツをお伝えしてしまいましたが、難しく考えずに、まずはやってみることが大事です。
残暑が厳しい日々ですが、水族館で涼みながら撮影会してみるのはいかがでしょうか?
カメラを持って水族館に行ったことのない方も、ぜひこの記事を参考にチャレンジしてみて下さいね。
次はどんな実験になるのでしょうか?!次回もお楽しみに~!!
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ロケ地協力
すみだ水族館
URL:http://www.sumida-aquarium.com/
営業時間:9時~21時
※入場受付は閉館の1時間前まで
※季節により変動あり
休館日:なし(年中無休)
※水族館のメンテナンスやイベント等により、ご入場ができない場合があります。あらかじめご了承ください。
所在地:〒131-0045 東京都墨田区押上一丁目1番2号
東京スカイツリータウン・ソラマチ5F・6F
TEL:03-5619-1821(9時~21時)
<イベント情報>
●約1,000匹の金魚が舞う!金魚づくしの夏イベント「お江戸の金魚ワンダーランド」
全長約 100 メートルにも及ぶ「江戸リウム」ゾーンに配置した合計31個の水槽で、色も形もさまざまな23品種の金魚たち約1,000匹が展示されます。目黒雅叙園で開催される「和のあかり×百段階段」展2016とコラボレーションした、金魚ちょうちんや江戸風鈴による期間限定の演出も。親子で参加できるワークショップや金魚メニューも満載。お江戸の金魚の魅力に触れながら、金魚づくしの夏が楽しめるイベントです。
開催期間:2016年7月1日(金)~9月30日(金)
●マゼランペンギンの赤ちゃん「ふうりん」のプールデビュー
6/16にすみだ水族館で生まれたマゼランペンギンの赤ちゃん「ふうりん」。バックヤードでの遊泳練習を終えて、いよいよペンギンプールでの遊泳練習がスタート。ペンギンプールへの初挑戦から、その後の練習風景、ほかのペンギンたちと一緒に泳ぐことができるようになるまでの姿を見られる「すみだペンギンウィーク」が開催中です。また、各日18時より「ふうりん」が飼育スタッフと一緒に館内を歩く様子も見ることができます。
開催期間:2016年8月27日(土)~9月4日(日)